神社巡りガイドブック

神社巡りのツアー行程、歴史や見所のポイントをご紹介しています

【奈良・神社巡り】水の聖地 宇陀水分ツアー

奈良県の北東部、宇陀市の神社を12社巡るツアーをご紹介します。

たくさんの神社を巡りますが、テーマを絞り出すなら「水」。

奈良県にあったと考えられている大和朝廷。その四方には、水分(みくまり)神社が配置されていました。東を担当するのが宇陀の水分神社。推定される神社が三社あり、今回のツアーではその三社をすべてまわります。

その他にも水がテーマとなる神社が登場します。水は生命の源であり、人間でいえば感情面をあらわし、浄化のはたらきをする物質でもあります。

奈良県は歴史が深く、宇陀市にある神社も興味深いものばかり。神話に登場する土地や、元伊勢と呼ばれる土地もあります。1日たっぷり時間を用意して堪能することをオススメします。

このツアーは全行程の消化に8〜9時間かかります(車移動、食事込み)。冬場は日没が早いので、工程を少し減らした方がよいかもしれませんね。行動範囲は以下の感じです。

 

室生龍穴神社

京都市神泉苑は、弘法大師が「善女龍王」を呼び寄せて、雨乞いをした霊地と伝えられています。その善女龍王に関係するのがこちらの神社であり、雨に関するお祈りがされていた神社であります。

住所:
奈良県宇陀市室生1297(駐車スペースあり)

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はじまりは不明、貴船神社丹生川上神社にならぶ雨乞いの地。タカオカミ神をまつります。拝殿には善女龍王社とあり、これは龍そのものではなく、龍を統べる女神のことだそうです。

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巨木が立ち並びます。是非ひとつひとつ見て頂きたいと思います。

次のポイントには、車で数分移動します。

 

室生龍穴神社・奥宮

同じ神社でありながら複数の神殿が存在する場合、山の頂上や中腹にあるものを山宮、奥宮、奥社などと呼びます。対して麓にあるものを里宮などと呼びます。当社の場合、里宮と奥宮はさほど離れていませんが、より深い自然の中にあります。

龍穴とは、風水術などにおいて繁栄するとされている土地のことで、いうならばその地には、目に見えない強い力があるということでしょう。

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室生龍穴神社・奥宮へ向かう途中にある天岩戸。立派な磐座ですね。全体が苔で覆われています。バッサリと真っ二つにされたのか、自然の力で二つに割れたのか気になりますね。

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天岩戸の横にある社殿。どなたがまつられているのかわかりませんが、アマテラス神か、アメノタヂカラオ神でしょうか。

この2ヶ所は、以下がポイントとなります。

住所:
奈良県宇陀市室生1268(車は1〜2台なら)

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わかりづらいですが拝殿のむこうに洞窟(龍穴)があります。こちらで雨乞いの儀式をしていたのでしょうね。向かって右側には滝もありますので現地で是非。

住所:
奈良県宇陀市室生あたり(車は1〜2台なら)

 

墨坂神社

境内は素朴な印象でありますが、一歩社殿に踏み入ると、濃厚な世界が待っています。 こちらは波動水をいただけることがポイントの一つですが、神話に出てくる戦いに登場する「宇陀川の水」の地でもあります。

住所:
奈良県宇陀市榛原萩原703(駐車場スペースあり)

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崇神天皇の時代に病が流行る。困り果てているところにお告げがあり、その通りに神様をまつると、病はおさまった。 これが当社のはじまり。

アメノミナカヌシ神、タカミムスビ神、カミムスビ神、イザナギ神、イザナミ神、オオモノヌシ神をまつり、日本最古の健康を司る神と伝えられています。

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当地は天皇即位前のカムヤマトイワレヒコ神が戦った地の一つであり、神話の地ということになります。 写真は祓戸社。こちらで払い落としてから本殿へ参りましょう。

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山の神としてオオヤマヅミ神を祀ります。

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山の神の社殿裏。 小さな石がしめ縄で囲われています。大事な石なのでしょう。 触らないようにしましょう。

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龍王宮と呼ばれ水の神・ミズハノメをまつります。 こちらで湧き出る水は大和の名水であり、水道水の100倍の力がある波動水とされています。

 

宇太水分神社(下社/下宮)

冒頭で説明した、宇陀の水分神社と推定される一社、一つ目。 とても静かな神社であります。 宇太水分神社 下社、まはた下宮とも呼ばれるようです。

今回参拝した3つの水分神社は、「上社・中社・下社」という分類と、「上宮・下宮」という分類があるようです。(正確なことは不明)

住所:
奈良県宇陀市榛原下井足635(駐車スペース少々)

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859年に朝廷からの遣いがあったと記録されるので、少なくてもそれ以前がはじまり。 流水の分配を司り、雨乞いの対象にもなった水分(みくまり)神をまつる。 また、みくまりが「みこもり=御子守」となって子授け、安産などでも信仰されるそうです。

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他にアメノコヤネ神、ホンダワケ神をまつります。 写真は摂社に近寄ったところ。 狐が沢山いらっしゃると思ったら、すべて狛犬でありました^^ とてもかわいいですね。

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参道がとても清々しい神社であります。

 

八咫烏神社

ややさっぱりした神社であり、それほど深い由緒があるわけでもありません。 よって神話ファンは肩透かしにかうかもしれません。 が、この地に1000年以上あるのは間違いなく、出雲に源流のある神さまがまつられていることは、とても興味深いことであります。

住所:
奈良県宇陀市榛原高塚42(駐車場あり)

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705年に八咫烏社をまつる記録があり、これを始まりとされています。

神話に出てくる八咫烏はタケツノミ神の化身と言われており、当社でおまつりされています。 タケツノミは日本のなりたちに深く関わる賀茂氏の祖先でもあります。 当社は南朝からの信仰が厚かったそうです。

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なかなか呑気そうな八咫烏さん^^ 八咫烏は3本足で表現されますが、当社の研究によるとそれを証明できる文献はなく、定着したのは戦後だろうとのことです。

 

宇太水分神社(中社/上宮)

宇太水分神社と推定される一社、2つ目。 本殿は国宝、摂社は重要文化財、現在の社殿は鎌倉時代のものだそうです。 目を奪われる美しさがここにあります。

住所:
奈良県宇陀市菟田野古市場245(駐車場あり)

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崇神もしくは垂仁天皇の時代にはじまったということで、少なくても紀元前からの地。 水分神社は大和朝廷の東西南北に配置され、その東にあたるのが宇陀の水分神社。 しかし推定される地が三社あり、当社がその一社で、おそらくもっとも有力な地である印象です。

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境内に祓戸神社、完備しております^^ 祓戸神社がある場合は、こちらで払い落とした上で本殿に参りたいですね。

 

惣社水分神社

宇太水分神社と推定される一社、3つ目。 当社と、下社は雰囲気が似ている気がしました。 また、こちらは地元密着な印象もありました。 推定される地が三社、それぞれの違いを感じてみてください。

住所:
奈良県宇陀市菟田野上芳野698(駐車スペース少々)

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はじまりは不明、宇太水分神社と推定される地の一社であり、現在は三社をまとめる意味である惣社を社名にいれています。

三社のどちらが本命なのかは謎ですが、そもそも三社にわかれていたと考えることはできないのかな?とも思います。 その場合、三社にわける意味があったのかもしれませんね。おまつりする神さまも少しずつ違います。

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本殿裏の巨木。 根がコブになって大きな獣の足を想像させますね。

 

桜実神社

車を止めて少し高台へあがることになります。 境内に入ると、丘から見下ろすような感じになり、ちょっと一息入れたくなる気分になります。 神話に登場するカムヤマトイワレヒコ神も、そういう気分だったのでしょうか。

住所:
奈良県宇陀市菟田野佐倉764(駐車場あり)

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後に初代天皇となるカムヤマトイワレヒコ神が大和に入り、軍を休めたといわれる地。 まつる神さまについては不明だそうですが、名に桜があるので、コノハナサクヤヒメ神と考えることもできそうですね。

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カムヤマトイワレヒコが軍を休めてる時に植えたと伝えられる杉の木、八房杉と呼ばれる。 一つの株から八つにわかれ、ある幹はまた一つになり…と、なんとも不思議な巨木であります。 推定樹齢2000年の大先輩。

 

戸隠神社

小山の中腹で、地元からひっそりと愛されている……そんな感じの神社であります。 駐車スペースがまったくないので、周辺に止めて歩いていくか、誰も来ないことを祈って参道手前に止めてしまうか……後者の場合、自己責任でお願い致します。

住所: 奈良県宇陀市大宇陀上片岡710(駐車スペースなし)

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情報が全く見つからないのですが、戸隠(とがくし)神社なのでアメノタヂカラオ神をまつるのでしょう。 岩をも動かす力を象徴する神様。 当方の勝手な推測ですが、物理的なことだけではなく、大きな変容のきっかけを作ってくれそうな神様でありますね。

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少し離れたところから全景を撮ることができます。 こうして見ると箱庭のようでありますね。 詳細不明とはいえ、とても整っている神社でありました。

 

岩神社

小さい神社……は氷山の一角。 当地は大きな岩山がご神体。 今は木々によって様子がわかりにくいですが、神話の時代には岩肌が露わになっていたと想像します。

住所:
奈良県宇陀市大宇陀栗野1420(駐車場あり)

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本殿背後に磐座がしずまる岩神社。 イワナガヒメ神まつりますが、イワオシワケノミコトという別名もあります。 もとは巨石信仰の地だったのではないかと想像します。 はっきりとした記録はないそうです。

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語り継がれてる話によりますと、当地の西にある鳥ノ塒屋山(からすのとややま)・山頂に姉妹であるコノハナサクヤヒメ神をまつり、その東の麓にイワナガヒメ神をまつったとあるそうです。 写真は本殿裏の磐座。

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当地の北、大蔵寺あたりが始まりの地という説もあり。 この地はこのエリアの祖神をまつった経緯もあるとか。 写真は境内にある岩から生える木。 イワナガヒメ神、コナハナサクヤヒメ神の姉妹のようでありましょうか。

 

劔主神社 その1

磐座……というと不動の巨石になると思いますが、当社境内にはそうではなさそうな大きな岩がいくつか。 岩、巨木、小さいな社殿、人気のない境内、こういったシチュエーションに見えない力や、神秘性を感じるのは、日本人だからでしょうか?

住所:
奈良県宇陀市大宇陀宮奥116(駐車スペース少々あり)

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当社近くの山頂にある、ガラス原材料などにつかわれる珪石(けいせき)の巨石が信仰対象になっており、その一部を里に降ろしたのが当社。 なぜ降ろしたのかが気になります。

現在、この社名の神社は三社存在しているようです。 珪石は白いので、白石明神と呼ばれていたこともあり、江戸末期になるまでは社殿のない祭祀場だったようです。

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この白いのが珪石。 境内にはいくつかの珪石が配置されています。

 

劔主神社 その2

もうひとつの劔主神社。 こちらへの入り口はわかりづらいです。 民家の路地を入っていく感じです。 頑張って探してみてください^^

住所:
奈良県宇陀市大宇陀下宮奥321(駐車スペースなしですが、隣接施設に停められそう?)

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劔主神社の神様については、はっきりとしたことがわからないそうですが、ツルギネ神をまつるとする資料もあるそうです。 古代からの祭祀の場で、大和朝廷の影響も少なさそう……といいますか、大和のど真ん中にありながら、日本が成立する以前の雰囲気を感じる不思議な神社の一つといえるかもしれません。

 

阿紀神社

境内は隅々まで格別に整えられているのに、人の気は少ない。 本殿は、この日巡ってきた神社のものとは違った風格が。 なにやら別格を感じる神社であります。

住所:
奈良県宇陀市大宇陀迫間25(駐車場あり)

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オオクニヌシ神の孫・アキヒメ神がこのエリアを開拓し、稲作を教え、アマテラス神をまつったのがはじまり。 前後関係は不明ですがカムヤマトイワレヒコが大和を目指す際、当地にアマテラスをまつり必勝祈願したとも伝えられます。

さらに崇神天皇の時代、宮中外にうつされたアマテラスが一時的にまつられていたと伝えられます。 アマテラスをまつる伊勢の神宮は、90年もの間、およそ20ヶ所を転々としており、そのうちの一ヶ所が当社ということです。

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阿紀神社のだいたい目の前にある森、その中にある阿紀神社跡地のひとつ。 持統天皇が自分の名前にちなんで高天原(たかまがはら)と名付けた場所だそうです。

この近辺の土地でアマテラスを最初にまつったのは照巣という場所で、地図資料も残っているのですが、残念ながら今回はたどり着くことができませんでした……。 次回リベンジしたいと思います!!

 

ランチについて

当方は、墨坂神社〜宇太水分神社 下社あたりでランチの時間となりました。 近鉄大阪線・榛原駅が近くにありますが、お店はあまりありません。

探した結果、「福寿館はいばら本店」というお肉のお店に入りました。 とても美味しく柔らかいお肉をいただけるのですが、お値段は高め。 このお店の前あたりあるお店が、お値段的には入りやすいかもしれません。

お肉お店は以下の場所になります。
https://goo.gl/maps/aQpshF7nTfH2

 

今回は以上になります。
良いお参りを!

【東京神奈川・神社巡り】平地にいながら四大霊山制覇の旅!?

東横線多摩川駅周辺の神社をめぐるツアーをご紹介します。

都心部に大きな神社は少ないですが、1つ1つじっくり参拝していくと見えてくる歴史があったり、個性がある神社を発見したり、樹齢数百年の御神木に出会えたりします。
週末何もせずに終わってしまうなら、近所を少し歩いてみよう、そんな気分で神社巡りも楽しいものです。

しかも今回巡る神社は、名だたる山々の神々をまつる神社でありまして、平地、そして東横線沿いを歩きながら四大霊山を制覇できる内容となっています。

このツアーは、徒歩と電車で3時間ぐらいの工程です。
行動範囲は以下になります。

 

多摩川浅間神社

1つ目の山。
浅間(せんげん or あさま)と名がつく神社は、主にコノハナサクヤ神をまつる、富士山を信仰対象とする神社です。

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場所:東京都大田区田園調布1丁目55-12

出陣した源頼朝の身を案じて後を追いかけた北条政子、わらじの傷が痛み出し治療することに。
その際、当地の小山に登ってみると富士山が鮮やかに見え、その麓にある浅間神社に夫の無事を祈ったそうです。
そして身につけていた観音像を小山に立て、村人が富士浅間大菩薩と崇敬したのがはじまりとなりました(1185年頃のこと)。

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うっすらと小さく富士山が見えております。
北条政子のように手を合わせたいと思います。

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由緒書きによると、このエリアには浅間神社赤城神社熊野神社があったのですが、まとめなさいの指示によって、当社が当地の鎮守になったそう。
赤城も熊野も由緒ある山岳信仰ですが、面影がないのはなぜでありましょうか……?

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左から、阿夫利、三峰、稲荷、小御嶽ということは、大山、三峰山、稲荷山、富士山(でしょうか?)。
この関東甲信越エリアの山々でありますね。
稲荷山はさすがの全国区。

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子宝石。
当社にまつられるはコノハナサクヤヒメ神。
炎の中で出産した最強のお母さんからの御利益は子宝と安産、そして防火。

次へは徒歩で移動します。

 

御嶽神社

2つ目の山。
御嶽(おんたけ)の名がつく神社は、主にオオクニヌシ神をまつり、御嶽山(長野県)を信仰対象とする神社です。

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場所:東京都大田区北嶺町37-20

当地は、500年くらい前には祠があり、そこへ木曽御嶽山の修行者が訪れ、御嶽信仰が発展。
クニトコタチ神、クニノサヅチ神、トヨクモノ神をまつる。
神話的には宇宙的な存在があらわれた直後にあらわらた存在。
(こちらが2つ目の山、御嶽山になります)

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御嶽信仰を調べると頂点にはオオクニヌシ神がいて、ムナカタの神さまが入ってる場合もあって、なんとなく出雲の臭いがするのですが、クニトコタチ神など天津神も入ってくるので特徴がつかみにくいですね……。
天地統合的な信仰なのでしょうか。

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本殿には三社宮の神額。
三神の意味なのか、御嶽山からの分霊としての意味なのか、はっきりとしたことはわかりませんでした……。

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本殿前の狛犬はオオカミなのだそうです。
山、オオカミ、神様は関係が深いですね。

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立派な本殿には美しい彫刻が。
三面に、浦島太郎、養老の滝、司馬温公甕割り、と水が共通点。
それぞれ生命もテーマにありますね。
水はとても大事であります。

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水はとても大事……からの霊神水
当社発展のきっかけとなった修行者が身を清める井戸だったそうですが、次第に荒廃。
近年、信仰者が再建されたそうです。

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当社発展のきっかけとなったのは、御嶽山で修行した一山(いっさん)。
修行中に信託を受け教えを伝えながら江戸を目指したところ、当地にたどりつき拠点とする。
こちらに一山がまつられます。

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境内の夫婦松。
杉じゃないです^^
樹齢400年の先輩。

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木曽御嶽山には2万の霊神碑があるらしく、こちらにも36の霊神碑が。
御嶽山ここにあり、ということなのでしょう。
これは霊が降りる対象物なのだそうです。

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これを見ましたらば木曽御嶽山に行きたくなりました^^
ところで神紋が少しだけサムハラさんに似ていますね。

次へも徒歩で移動します。

 

道饗神社

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場所:東京都大田区東嶺町36

みちあえ神社と読むのでしょうか。
環八沿いにあります。
詳細不明ですが、道饗祭(みちあえのまつり)とは化物、妖怪の侵入を防ぐ神事だそうで、それに関係しそうですね。
付近に椿神社もあるようですが、いずれも外的守護の道祖神ということでしょうか。

次へも徒歩で移動します。

 

白山神社

3つ目の山。
白山(はくさん)と名がつく神社は、主にキクリヒメ神をまつり、白山(石川県)を信仰対象とする神社です。

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場所:東京都大田区東嶺町31

はじまりは女体権現社だったそうで、神仏習合色がつよい神社といえそうです。
キクリヒメ神、イザナギ神、イザナミ神をまつると白山比咩神社のサイトにありました。
地元に愛されてる感じがします。
(こちらが3つ目の山、白山になります)

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子守神と書かれ、岩の横には母子像と書かれています。
ちょっとピンとこないですが、当社は女性的であることはかんじます。

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樹齢600年のタブノキ先輩。
いくつかの樹がミックスしているような状態でありますね。
和合の象徴でありましょうか。

次へは徒歩で電車で移動します。

 

京濱伏見稲荷神社

4つ目の山。
稲荷と名がつく神社は、主にウカノミタマ神をまつり、稲荷山(京都)を中心とする神社です。

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場所:神奈川県川崎市中原区新丸子東2丁目980

ウカノミタマ神、オオナムチ神、サルタヒコ神、アメノウズメ神(オオミヤメ神)、ウケモチノ神をまつる。
戦後復興の創建ということで伏見稲荷大社(京都)の神様、七福神である「えびす(オオナムチ神)さん」を一緒にまつったというところでしょうか。
本殿は江戸作りといって富士山の溶岩でかためられているそうです。
また工事は上野・不忍池の弁天様のご加護ですすめられたとか。
(こちらが4つ目の山、稲荷山になります)

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お稲荷さんといえば狐様。
こちらにはとてもカラフルな狐様108体も!
いたるところにこのように狐様がくつろいでいらっしゃいます。

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ときわ磐座。
神様が風神雷神を伴って降りたといわれます。
すこしわかりづいらですが、後ろにある招福池では竹生島の弁財天がまつられます。
ほかにも白山比咩神社、富士浅間神社がまつられます。

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この狐様が当方のお気に入りです。

次へは徒歩と電車で移動します。

 

木月住吉神社

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場所:神奈川県川崎市中原区木月1丁目20-1

旧称は元矢倉神社。
明治に近隣十社がまとめられたそうです。
住吉神社でありながら住吉三神がまつられないのは謎。
住吉村だったことが由来であるようですが、住吉という地だったのであれば関係者がいらっしゃったのではないかと……。

以上で、平地にいながら四大霊山制覇の旅は終了です。

 

おまけ

ちょっとお茶したいと時は、御嶽神社か、京濱伏見稲荷神社が駅前なのでよろしいかと思います。
すべて参拝してから、東横線元住吉駅で、もありですね。 よい休日を。

【兵庫・神社巡り】日本のみぞおちツアー

兵庫県は明石〜神戸(垂水)エリア、すなわち子午線が通るあたりの神社6社を巡るツアーをご紹介します。
車で移動するとランチ込みで4時間ぐらいの行程となります。

今回の地は、歴史上、日本にとってある種の要となるエリア。
国産みがされたと伝えられる淡路、貿易航路、子午線ライン、黄泉の入り口(熊野方面)へと繋がる航路、と盛りだくさんでありますし、はっきりとした事は存じ上げませんが、明石海峡あたりには何か重要なものがあるとかないとか……。

このコースは記事タイトルとは別のテーマがあったのですが、色々な反応が出てしまうワードなので、「日本のみぞおちツアー」へ変更しました。
色々な大事なものが集まるところ、身体でいえば「みぞおち」がそれにあたるかな?と思いました。

移動の範囲は以下の感じです。

 

岩屋神社

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143年、淡路島の岩屋から神様にお越しいただいたのが始まり。
この神様は天地大明神、岩屋明神、江島明神などと呼ばれ詳しいことは不明。
現在当社はイザナギ神、イザナミ神、オオヒルメ神、ツクヨミ神、スサノオ神、ヒルコ神(エビス神)をまつる。
イザナギが筆頭という説もありますが、当地へ足を運ぶとエビスおしの印象であります。
摂社・末社も充実しています。
場所:兵庫県明石市材木町8−10

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この形とは限りませんが、本殿裏がこのように整えられている神社もあるので要チェックであります。
拝殿からよりも裏からの方が神様との距離が近くなる場合も^^

またこの辺りに不思議なとても大きな犬がいらっしゃるので、是非お声がけください^^

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摂社の大国主社。
大国主社はいたるところで見かけますが、「出雲」と強く打ち出されているのは何か意味があるのかもしれませんね。

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岩屋神社のエビス像。
とても細い釣竿で顔より大きい鯛を釣り上げるとは……さすがであります。

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お時間あれば、岩屋神社の向かいにある長林寺にも足を運んでみてください。
本尊の薬師如来を供養するために、龍神が灯りをともしたといわれる「龍燈の松」があります。
ただし一度枯れてしまい、現在は二代目だとか。
琵琶湖沿いの唐崎神社・霊松を思い出しますね。

 

伊弉冊神社

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由緒書きの内容が難解なのですが、崇神天皇が神さまにお越しいただいたとあるので紀元前からの場所ということになります。
まつられるはイザナミ神。
スサノオ神もまつるということで、親子仲良くいらっしゃるということにもなりますね。(ただし牛頭天王らしき説明も見かけます)
場所:兵庫県明石市岬町19-8

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本殿向かって左奥にある福徳三宝荒神社、またその奥にあるご神木。
荒ぶる感じであります。

 

稲爪神社

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朝鮮半島から鉄人8000人が来襲、討伐担当(伊予の国出身)がオオヤマヅミ神に必勝祈願、すると稲妻と共にオオヤマヅミがあらわれ鉄人の弱点をアドバイス、そして見事打ち勝ったというお話からオオヤマヅミをまつった……のが始まり、550年頃のこと。
イナズマが「イナツメ」となった説あり。
場所:兵庫県明石市大蔵本町6-10

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エビス像。
やさしそうでありますね。

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神紋。
オオヤマヅミの総本社、大山祇神社とほぼ同じでありますね。
総本社直系を感じます。

 

舞子六神社

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おまつりされるはイザナギ神、イザナミ神、オオヒルメ神、ツクヨミ神、スサノオ神、ヒルコ神(エビス神)ということで、岩屋神社と同じでありますね。
摂社も充実しております。
主観でありますが、当社、何か大義ありの予感が。
場所:兵庫県神戸市垂水区西舞子1丁目5-7

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舞子六神社の大黒像。
満ち満ちてる感じであります。

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恵比寿像。
なかなか独特な感じでありますね。

 

海神社

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神功皇后朝鮮出兵から戻る際、暴風により足止めをされたためワタツミ三神に祈願したところ、波風はおさまり都へ無事お戻りになられた……という伝承の地であります。
今から1800年程度前の始まり。
場所:兵庫県神戸市垂水区宮本町5-1

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海神社から数分南に移動すると、寳ノ海神社という小さな社があります。
連続鳥居的なのでお稲荷さん?と思わされますが、金刀比羅大権現がまつられています。
目の前の垂水漁港を見守っておられます。

 

乙姫大明神

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1171年頃、日宋貿易拡大をめざす平清盛が大陸にわたる船の無事を祈って、当社を建てられたと考えられているそう。
清盛による厳島神社造営と、おおよそ同じ頃だと推測できます。
乙姫?浦島太郎かよ! という感じですが、まつられるトヨタマヒメ神は海の神様の娘として神話に登場し、まさに乙姫的な存在となっています。
場所:兵庫県神戸市垂水区下畑町あたり

場所がとてもわかりにくい上に、車は駐車できません。
地図のポイントから東にすすむとマックスバリューがあるので、そこに駐車するとよいかもしれません。
ポイントから歩いて3〜4分の場所になります。

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乙姫大明神の鳥居。
竜宮城の入り口であります。

 

ランチ情報など

お店に困らないエリアだとは思いますが、明石大橋の「舞子海上プロムナード」で軽食をとることができます。
眺めはよいですが、味は普通なのがやや残念なところ……。

最初に紹介している岩屋神社の近くに「ふなまち」という明石焼のお店があります。
食べログでは3.6、TOP5000にもランクイン。
さすがの大行列で今回は行けませんでしたが、是非行ってみたいお店のひとつであります。

 

おまけ

「みぞおち」ですが漢字では鳩尾と書くそうです。
また「心窩」とも呼ぶらしいのです。
読み方は、「しんか」または「しんわ」だそうです。
違う漢字をあてると「進化」と「神話」。

「みぞおちツアー」は偶然名付けたものですが、このエリアは神話の地でもありますし、日本の進化にこのエリアが関係しているかもしれませんね。

【兵庫・神社巡り】癒しの産土神ツアー

兵庫県は尼崎(1社)〜神戸エリア(3社)の神社ツアーをご紹介します。
工程としては、徒歩と電車で3〜4時間程度。
土日の午後にふらっと神社へ行きたいなぁ……にぴったりな感じであります。

このツアーは、プライベートなテーマから構成されました。
少し傷ついたハートを癒すために、祖先が関係する地をゆっくりと踏みしめた次第です。

産土神(うぶすながみ)とは、その人が生まれた土地の神社のことをいいます。

移動範囲は以下になります。

 

塚口神社

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始まりは不明ですが、730年前後の記録に名前が出てくるそうです。
祭神はスサノオ神。
尼崎エリアにスサノオ神が多いのは、武庫川の水難がヤマタノオロチのごとくで、それを退治(掌握?)といった思いがあったという話があるそうです。
場所:兵庫県尼崎市塚口本町2丁目11-28

 

綱敷天満神社

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菅原道真をまつる神社でありながら、アメノミチネ神が天神山(現在の御影山手)にワケイカヅチ神をまつることに始まったと伝えられているそうです。
ワケイカヅチは上賀茂神社の神様で、日本のルーツに深くかかわる氏族のひとつ。
場所:兵庫県神戸市東灘区御影1丁目1-22-25

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こちらにワケイカヅチ神がまつられます。
現在は摂社。

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鳥居の注連縄がとても変わっています。
注連縄は地方差があって面白いですよね。

 

高羽丹生神社

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水の神であるミズハノメ神をまつる。
奈良の丹生川上神社・三社と縁のある神社。
はじまりは不明ですが、鏡作りの人たちによるものということはわかっているそうです。
場所:兵庫県神戸市灘区高羽町4丁目2-2

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すばらしい楠。
樹齢600年ほどの大先輩。
見方によっては幹の部分が十字架にも……。

 

六甲八幡神社

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はじまりは諸説あるそうですが、平清盛によってまつられたとも伝えられているようです。
八幡さまといえば源氏、なのに平氏による……というのはなんとも不思議というか、懐が広いというか……。
場所:兵庫県神戸市灘区八幡町3−6−5

 

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なぜか桃の彫り物。
桃といえばイザナギが黄泉の国でつかった魔除けアイテムであります。
当社は厄除けが有名であるからか、この地が黄泉と繋がるからなのか……!?

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手水舎の龍、なかなかの作り込みであります。