神社巡りガイドブック

神社巡りのツアー工程、歴史や見所のポイントをご紹介しています

【奈良・神社巡り】水の聖地 宇陀水分ツアー

奈良県の北東部、宇陀市の神社を12社巡るツアーをご紹介します。

たくさんの神社を巡りますが、テーマを絞り出すなら「水」。

奈良県にあったと考えられている大和朝廷。その四方には、水分(みくまり)神社が配置されていました。東を担当するのが宇陀の水分神社。推定される神社が三社あり、今回のツアーではその三社をすべてまわります。

その他にも水がテーマとなる神社が登場します。水は生命の源であり、人間でいえば感情面をあらわし、浄化のはたらきをする物質でもあります。

奈良県は歴史が深く、宇陀市にある神社も興味深いものばかり。神話に登場する土地や、元伊勢と呼ばれる土地もあります。1日たっぷり時間を用意して堪能することをオススメします。

このツアーは全行程の消化に8〜9時間かかります(車移動、食事込み)。冬場は日没が早いので、工程を少し減らした方がよいかもしれませんね。行動範囲は以下の感じです。

 

室生龍穴神社

京都市神泉苑は、弘法大師が「善女龍王」を呼び寄せて、雨乞いをした霊地と伝えられています。その善女龍王に関係するのがこちらの神社であり、雨に関するお祈りがされていた神社であります。

住所:
奈良県宇陀市室生1297(駐車スペースあり)

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はじまりは不明、貴船神社丹生川上神社にならぶ雨乞いの地。タカオカミ神をまつります。拝殿には善女龍王社とあり、これは龍そのものではなく、龍を統べる女神のことだそうです。

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巨木が立ち並びます。是非ひとつひとつ見て頂きたいと思います。

次のポイントには、車で数分移動します。

 

室生龍穴神社・奥宮

同じ神社でありながら複数の神殿が存在する場合、山の頂上や中腹にあるものを山宮、奥宮、奥社などと呼びます。対して麓にあるものを里宮などと呼びます。当社の場合、里宮と奥宮はさほど離れていませんが、より深い自然の中にあります。

龍穴とは、風水術などにおいて繁栄するとされている土地のことで、いうならばその地には、目に見えない強い力があるということでしょう。

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室生龍穴神社・奥宮へ向かう途中にある天岩戸。立派な磐座ですね。全体が苔で覆われています。バッサリと真っ二つにされたのか、自然の力で二つに割れたのか気になりますね。

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天岩戸の横にある社殿。どなたがまつられているのかわかりませんが、アマテラス神か、アメノタヂカラオ神でしょうか。

この2ヶ所は、以下がポイントとなります。

住所:
奈良県宇陀市室生1268(車は1〜2台なら)

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わかりづらいですが拝殿のむこうに洞窟(龍穴)があります。こちらで雨乞いの儀式をしていたのでしょうね。向かって右側には滝もありますので現地で是非。

住所:
奈良県宇陀市室生あたり(車は1〜2台なら)

 

墨坂神社

境内は素朴な印象でありますが、一歩社殿に踏み入ると、濃厚な世界が待っています。 こちらは波動水をいただけることがポイントの一つですが、神話に出てくる戦いに登場する「宇陀川の水」の地でもあります。

住所:
奈良県宇陀市榛原萩原703(駐車場スペースあり)

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崇神天皇の時代に病が流行る。困り果てているところにお告げがあり、その通りに神様をまつると、病はおさまった。 これが当社のはじまり。

アメノミナカヌシ神、タカミムスビ神、カミムスビ神、イザナギ神、イザナミ神、オオモノヌシ神をまつり、日本最古の健康を司る神と伝えられています。

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当地は天皇即位前のカムヤマトイワレヒコ神が戦った地の一つであり、神話の地ということになります。 写真は祓戸社。こちらで払い落としてから本殿へ参りましょう。

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山の神としてオオヤマヅミ神を祀ります。

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山の神の社殿裏。 小さな石がしめ縄で囲われています。大事な石なのでしょう。 触らないようにしましょう。

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龍王宮と呼ばれ水の神・ミズハノメをまつります。 こちらで湧き出る水は大和の名水であり、水道水の100倍の力がある波動水とされています。

 

宇太水分神社(下社/下宮)

冒頭で説明した、宇陀の水分神社と推定される一社、一つ目。 とても静かな神社であります。 宇太水分神社 下社、まはた下宮とも呼ばれるようです。

今回参拝した3つの水分神社は、「上社・中社・下社」という分類と、「上宮・下宮」という分類があるようです。(正確なことは不明)

住所:
奈良県宇陀市榛原下井足635(駐車スペース少々)

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859年に朝廷からの遣いがあったと記録されるので、少なくてもそれ以前がはじまり。 流水の分配を司り、雨乞いの対象にもなった水分(みくまり)神をまつる。 また、みくまりが「みこもり=御子守」となって子授け、安産などでも信仰されるそうです。

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他にアメノコヤネ神、ホンダワケ神をまつります。 写真は摂社に近寄ったところ。 狐が沢山いらっしゃると思ったら、すべて狛犬でありました^^ とてもかわいいですね。

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参道がとても清々しい神社であります。

 

八咫烏神社

ややさっぱりした神社であり、それほど深い由緒があるわけでもありません。 よって神話ファンは肩透かしにかうかもしれません。 が、この地に1000年以上あるのは間違いなく、出雲に源流のある神さまがまつられていることは、とても興味深いことであります。

住所:
奈良県宇陀市榛原高塚42(駐車場あり)

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705年に八咫烏社をまつる記録があり、これを始まりとされています。

神話に出てくる八咫烏はタケツノミ神の化身と言われており、当社でおまつりされています。 タケツノミは日本のなりたちに深く関わる賀茂氏の祖先でもあります。 当社は南朝からの信仰が厚かったそうです。

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なかなか呑気そうな八咫烏さん^^ 八咫烏は3本足で表現されますが、当社の研究によるとそれを証明できる文献はなく、定着したのは戦後だろうとのことです。

 

宇太水分神社(中社/上宮)

宇太水分神社と推定される一社、2つ目。 本殿は国宝、摂社は重要文化財、現在の社殿は鎌倉時代のものだそうです。 目を奪われる美しさがここにあります。

住所:
奈良県宇陀市菟田野古市場245(駐車場あり)

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崇神もしくは垂仁天皇の時代にはじまったということで、少なくても紀元前からの地。 水分神社は大和朝廷の東西南北に配置され、その東にあたるのが宇陀の水分神社。 しかし推定される地が三社あり、当社がその一社で、おそらくもっとも有力な地である印象です。

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境内に祓戸神社、完備しております^^ 祓戸神社がある場合は、こちらで払い落とした上で本殿に参りたいですね。

 

惣社水分神社

宇太水分神社と推定される一社、3つ目。 当社と、下社は雰囲気が似ている気がしました。 また、こちらは地元密着な印象もありました。 推定される地が三社、それぞれの違いを感じてみてください。

住所:
奈良県宇陀市菟田野上芳野698(駐車スペース少々)

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はじまりは不明、宇太水分神社と推定される地の一社であり、現在は三社をまとめる意味である惣社を社名にいれています。

三社のどちらが本命なのかは謎ですが、そもそも三社にわかれていたと考えることはできないのかな?とも思います。 その場合、三社にわける意味があったのかもしれませんね。おまつりする神さまも少しずつ違います。

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本殿裏の巨木。 根がコブになって大きな獣の足を想像させますね。

 

桜実神社

車を止めて少し高台へあがることになります。 境内に入ると、丘から見下ろすような感じになり、ちょっと一息入れたくなる気分になります。 神話に登場するカムヤマトイワレヒコ神も、そういう気分だったのでしょうか。

住所:
奈良県宇陀市菟田野佐倉764(駐車場あり)

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後に初代天皇となるカムヤマトイワレヒコ神が大和に入り、軍を休めたといわれる地。 まつる神さまについては不明だそうですが、名に桜があるので、コノハナサクヤヒメ神と考えることもできそうですね。

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カムヤマトイワレヒコが軍を休めてる時に植えたと伝えられる杉の木、八房杉と呼ばれる。 一つの株から八つにわかれ、ある幹はまた一つになり…と、なんとも不思議な巨木であります。 推定樹齢2000年の大先輩。

 

戸隠神社

小山の中腹で、地元からひっそりと愛されている……そんな感じの神社であります。 駐車スペースがまったくないので、周辺に止めて歩いていくか、誰も来ないことを祈って参道手前に止めてしまうか……後者の場合、自己責任でお願い致します。

住所: 奈良県宇陀市大宇陀上片岡710(駐車スペースなし)

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情報が全く見つからないのですが、戸隠(とがくし)神社なのでアメノタヂカラオ神をまつるのでしょう。 岩をも動かす力を象徴する神様。 当方の勝手な推測ですが、物理的なことだけではなく、大きな変容のきっかけを作ってくれそうな神様でありますね。

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少し離れたところから全景を撮ることができます。 こうして見ると箱庭のようでありますね。 詳細不明とはいえ、とても整っている神社でありました。

 

岩神社

小さい神社……は氷山の一角。 当地は大きな岩山がご神体。 今は木々によって様子がわかりにくいですが、神話の時代には岩肌が露わになっていたと想像します。

住所:
奈良県宇陀市大宇陀栗野1420(駐車場あり)

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本殿背後に磐座がしずまる岩神社。 イワナガヒメ神まつりますが、イワオシワケノミコトという別名もあります。 もとは巨石信仰の地だったのではないかと想像します。 はっきりとした記録はないそうです。

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語り継がれてる話によりますと、当地の西にある鳥ノ塒屋山(からすのとややま)・山頂に姉妹であるコノハナサクヤヒメ神をまつり、その東の麓にイワナガヒメ神をまつったとあるそうです。 写真は本殿裏の磐座。

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当地の北、大蔵寺あたりが始まりの地という説もあり。 この地はこのエリアの祖神をまつった経緯もあるとか。 写真は境内にある岩から生える木。 イワナガヒメ神、コナハナサクヤヒメ神の姉妹のようでありましょうか。

 

劔主神社 その1

磐座……というと不動の巨石になると思いますが、当社境内にはそうではなさそうな大きな岩がいくつか。 岩、巨木、小さいな社殿、人気のない境内、こういったシチュエーションに見えない力や、神秘性を感じるのは、日本人だからでしょうか?

住所:
奈良県宇陀市大宇陀宮奥116(駐車スペース少々あり)

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当社近くの山頂にある、ガラス原材料などにつかわれる珪石(けいせき)の巨石が信仰対象になっており、その一部を里に降ろしたのが当社。 なぜ降ろしたのかが気になります。

現在、この社名の神社は三社存在しているようです。 珪石は白いので、白石明神と呼ばれていたこともあり、江戸末期になるまでは社殿のない祭祀場だったようです。

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この白いのが珪石。 境内にはいくつかの珪石が配置されています。

 

劔主神社 その2

もうひとつの劔主神社。 こちらへの入り口はわかりづらいです。 民家の路地を入っていく感じです。 頑張って探してみてください^^

住所:
奈良県宇陀市大宇陀下宮奥321(駐車スペースなしですが、隣接施設に停められそう?)

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劔主神社の神様については、はっきりとしたことがわからないそうですが、ツルギネ神をまつるとする資料もあるそうです。 古代からの祭祀の場で、大和朝廷の影響も少なさそう……といいますか、大和のど真ん中にありながら、日本が成立する以前の雰囲気を感じる不思議な神社の一つといえるかもしれません。

 

阿紀神社

境内は隅々まで格別に整えられているのに、人の気は少ない。 本殿は、この日巡ってきた神社のものとは違った風格が。 なにやら別格を感じる神社であります。

住所:
奈良県宇陀市大宇陀迫間25(駐車場あり)

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オオクニヌシ神の孫・アキヒメ神がこのエリアを開拓し、稲作を教え、アマテラス神をまつったのがはじまり。 前後関係は不明ですがカムヤマトイワレヒコが大和を目指す際、当地にアマテラスをまつり必勝祈願したとも伝えられます。

さらに崇神天皇の時代、宮中外にうつされたアマテラスが一時的にまつられていたと伝えられます。 アマテラスをまつる伊勢の神宮は、90年もの間、およそ20ヶ所を転々としており、そのうちの一ヶ所が当社ということです。

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阿紀神社のだいたい目の前にある森、その中にある阿紀神社跡地のひとつ。 持統天皇が自分の名前にちなんで高天原(たかまがはら)と名付けた場所だそうです。

この近辺の土地でアマテラスを最初にまつったのは照巣という場所で、地図資料も残っているのですが、残念ながら今回はたどり着くことができませんでした……。 次回リベンジしたいと思います!!

 

ランチについて

当方は、墨坂神社〜宇太水分神社 下社あたりでランチの時間となりました。 近鉄大阪線・榛原駅が近くにありますが、お店はあまりありません。

探した結果、「福寿館はいばら本店」というお肉のお店に入りました。 とても美味しく柔らかいお肉をいただけるのですが、お値段は高め。 このお店の前あたりあるお店が、お値段的には入りやすいかもしれません。

お肉お店は以下の場所になります。
https://goo.gl/maps/aQpshF7nTfH2

 

今回は以上になります。
良いお参りを!